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米食料医薬品局、抗HIV新薬の安全性重視
2007/04/24 16:55
(米ワシントン)米食品医療局(FDA)の職員が、抗HIV新薬について、安全性への懸念を示している。政府のアドバイザーらは、抗HIV新薬を承認するかどうかを近く審査する。20日、AP通信が伝えた。
世界最大手の製薬会社ファイザーは、最新の抗HIV薬といわれるMaravirocについて、FDAの承認を求めている。ファイザーは、MaravirocをCelsentriという名前で市場に出したい考え。
ファイザーは、Celsentriには、従来の抗HIV薬が効かなくなった患者に対して、明らかな効果と必要性があると見ている。Celsentriは、現在流通している抗HIV薬とは異なり、ウィルスそのものではなく、患者の細胞を対象とする。
FDAは、24日に外部専門家による会合を開き、ファイザーの新薬承認申請について協議する予定。FDAは専門家らに対し、Celsentriが承認された場合、特別な注意表示が必要かどうか、また、販売前に新薬の安全性に関してさらに研究を行う必要があるかどうかについて、回答を求めている。加えて、FDAは、女性や黒人患者での新薬の使用について、さらなる研究が必要かどうかについても、回答を求めている。
FDAとファイザーは、Celsentriを従来の抗HIV薬と併用した場合に、HIV患者におけるウィルス・レベル低下に効果的に作用するとの研究結果を明らかにした。
しかし、FDAは、HIV侵入阻害剤のひとつであるCCR5受容体拮抗薬の安全性について、懸念も示している。CCR5受容体拮抗薬の安全性の問題とは、HIV患者における感染やリンパ腫の増加、肝臓へのダメージを引き起こす可能性があるとの指摘。CCR5受容体拮抗薬は、動物実験において、脈拍の変化を引き起こした。
もっとも懸念されているのは、ファイザーが承認を求める新薬が、重症エイズ患者の多くに見られるHIV変異体の二次変異を誘発するのではないかということ。患者がCelsentriを使用する場合、ウィルスの変異を調べるため、定期的に検査を受けることが必要になると考えられる。
FDAは、Celsentriを投与された患者でのリンパ腫や感染の増加はまだ確認されていないものの、若干の肝臓障害が認められたと話している。
これに対し、ファイザーは自社の研究結果とその分析を引用し、他の抗HIV薬に見られるような重大な心臓への影響、肝臓障害、ガンや感染の増加は見られなかったと話している。
これまでに、抗HIV薬の安全性をめぐっては、グラクソ・スミスクライン社、シェリング・プラウ社による同様のCCR5受容体拮抗剤の開発で、懸念があがっている。
1987年以来、FDAは、4種類29の抗HIV薬を承認している。Celsentriが承認されれば、CCR5受容体拮抗薬は従来の分類と異なり、5種類目の抗HIV薬となる。(翻訳・編集 山下梓) |