ニュース
ノーベル賞科学者が人種差別発言で辞職 過去に反同性愛発言も
2007/10/29 00:14
(ロンドン)1962年にDNAの二重らせん構造の発見によりノーベル医学生理学賞を受賞したアメリカ人科学者ジェームズ・D・ワトソン博士(79)が、イギリスの新聞サンデー・タイムズの中で、人種差別発言を行った問題で、同博士は25日付で勤め先のコールド・スプリング・ハーバー研究所を辞職した。25日、ロサンゼルス・タイムズ紙が伝えた。
ワトソン博士は、14日付のサンデー・タイムズ紙の中で、「社会政策は、アフリカの人びと(黒人)と私たち(白人)の知能が同じであるという事実に基づいてつくられているが、実験は必ずしもそれを肯定しない」と話し「アフリカの繁栄について本質的に悲観している」と述べた。
この人種差別発言について、コールド・スプリング・ハーバー研究所は「許容できるラインを超えている」とし、ワトソン博士を停職処分にしていた。
ワトソン博士の人種差別発言には、各方面から批判が集中した。
イギリス下院議員でアフリカ系イギリス人のデイヴィッド・ラミー氏は、「非常に不快」と話し、「科学者として優れた業績を持つ人が、自身のまったく不合理な発言によって、その業績に影を落とすことになるとは残念だ」と加えた。
ゲイ・フレンドリーな政治家として知られるケン・リヴィングストン・ロンドン市長も、ロンドン市のホームページ上で、「学術的に優れた業績を持つ人物があのような無知な発言をするということは非常に遺憾なことで、なぜ私たちがいまだに人種差別とたたかわなければならないのかを証明するもの。あの不快でまったく誤った発言は、極右グループが憎悪に満ちた運動を展開するのに力を貸したに違いない」とし、「そのような(人種差別的)考え方は、ロンドンのような多様性あふれる都市では歓迎されない」とコメントを発表した。
ワトソン博士は発言後にロンドン王立協会で謝罪。「どうしてあのようなことを言い得たか(自分でも)理解できない」とし、「私の言葉を目にした人がなぜこのように反応したのかは分かる」と話していた。
「私の発言から、私が、大陸としてアフリカが遺伝的にいくぶん劣等であると言わんとしていると考えた人に対しては、率直にお詫び申し上げるしかない。しかし、それは私の意図したことではない。私の立場から見れば、より重要なことに、そのような考え方を裏付ける科学的根拠は何もない」
ワトソン博士は今回の人種差別発言に限らず、過去には反同性愛発言などがある。
1997年、サンデー・テレグラフ紙に対し、「同性愛の遺伝子の特定が可能な場合で、胎児がその遺伝子を持っていることが分かった場合、母親は中絶を認められるべきである」と発言。
2000年には、個人の体重と活動意欲、肌の色と性的能力には関係があるのではないかと講演の中で話している。
2003年にイギリスで放送されたドキュメンタリー番組の中では、「愚かさは、治療の必要な遺伝的病気」と話している。(翻訳・編集 山下梓) |