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ブラジル 性別適合手術を無償提供へ
2007/09/05 11:08
(リオデジャネイロ)ブラジル保健省は先月17日、公的医療制度の下で、性別適合手術の無償提供を開始することを明らかにした。同日、AP通信が伝えた。
先月15日、連邦裁判事から構成される委員会は政府に対し、30日以内に公的医療制度における性別適合手術の無償提供開始の手続きを行うか、1日あたり5,000ドル(約58万円相当、8月24日現在)の罰金を支払うよう命令。ブラジル保健省のエジミウソン・オリベイラ・ダ・シルヴァ報道官は、この判断について上訴しない考えを示し、同国における性別適合手術の無償提供が決定した。
シルヴァ報道官は、「保健相は、判事らの決定を受けいれることにした。しかし、政府はすでに、現行の公的医療制度の中で性別適合手術の無償提供を行えるかどうかを検討する専門化チームを編成していた」と話した。
連邦検察官らは、性別適合手術が、基本的権利としての医療を保障する現行憲法の規定により、すでに保障されていると主張していた。
裁判所は、「生物医学的見地から、性別適合(手術)を希望する場合、個人が性別を変更する必要のある、そうしなければ、過度の苦しみや、体の部位の切断、自殺などを含む、生活における深刻な結果に直面する可能性のある性自認の障害があるといえる」と判断。
保健省は、性別適合手術希望者に対して無償で手術を提供するかどうかの判断や、公的医療制度で保障される他の手術との比較で、どのような優先順位が着けられるかなどは、各医療機関のスタッフの裁量によるとしている。
性別適合手術を受ける場合、手術希望者は1)21歳以上で、2)他の人格障害があると診断されておらず、3)最低2年間の心理学的評価を経ていることが必要。
LGBT権利活動家らは、保健省の決定を歓迎している。
LGBT権利団体「バイーア・ゲイ・グループ」のルイス・モットさんは、「トランスセクシュアルの人たちは、ブラジル全人口の約0.001%を占める。本当にマイノリティ(少数派)ではあるが、性別適合手術は、(トランスセクシュアルの人たちにとって)生きるか死ぬかの問題」と話し、「公的医療制度で保障される他の手術と比較して優先順位を着けるという議論は、理に適っておらず残酷なもの」と加えた。
これまでに、保健省の決定に対する批判の声は上がっていない。
ブラジルの公的医療制度では、各種手術や抗HIV薬処方などを含む医療が、すべてのブラジル国民に無料で提供される。しかし、待ち時間が長時間にわたることや、不十分な医療設備も問題となっており、生活に余裕のある市民は、よりよい医療を求めて個人病院やクリニックを利用する。
保健省によると、2000年以降、約250件の性別適合手術が、3つの大学病院で行われている。
ブラジルは、南米の中でも比較的同性愛に寛容な国とされ、カーニバルなどでは異性装者も目立つが、LGBT市民に対する差別は根強い。(翻訳・編集 山下梓) |