ニュース
ロシア人LGBT活動家を含む一時拘束されたモスクワ・プライド参加者ら、釈放
2007/06/12 20:49
(モスクワ)先月27日、ロシア人LGBT権利活動家のニコライ・アレクセイェフ氏ら100人が、モスクワ・プライドへの開催許可を求めて市庁舎に近付いたが、うち約20人が、警察当局により逮捕された。拘束されていたアレクセイェフ氏とモスクワ・プライド主催者2人は、翌日午後、釈放された。しかし、2人は、無許可で抗議活動を行ったとして、今月、出廷を命じられている。先月28日、365Gay.comなどが伝えた。
一時拘束されたドイツやイタリアの欧州議会議員、イギリス人LGBT権利活動家のピーター・タチェル氏らは、27日、拘束から数時間後に解放された。
拘束された20人は、モスクワ・プライドの開催を支持する欧州議会議員およそ40名の署名を持って、ユーリ・ルシコフ・モスクワ市長のところへ向かっていた。
モスクワ市当局による拘束について、自国代表の欧州議会議員が逮捕されたドイツとイタリアは、公式に抗議の意を表明。ニューヨーク、サンフランシスコ、ブエノスアイレスに拠点を持ち、LGBT、HIVとともに生きる人たちの権利活動を行っているLGBT人権団体「インターナショナル・ゲイ・アンド・レズビアン・ヒューマン・ライツ・コミッション」は、先月30日、ロシア当局の対応を非難する緊急声明を発表している。
ルシコフ市長は、モスクワ・プライドの開催を認めない意向を以前から明らかにしていたが、LGBT権利団体は、市長の判断に関わらずパレードを開催する意向を固めていた。27日、市庁舎に持ち込もうとした署名は、市当局との対立を避けるための最後の試みだった。
27日は、およそ120人のLGBT当事者とサポーターが市庁舎近くに集合。
120人を待ち受けていたのは、極右の民族主義者、ロシア正教会信者、好戦的な青年たち。
モスクワ・プライド反対派らは、警察がLGBT権利活動家らを逮捕しに入るまで、アレクセイェフ氏らのグループに対して卵を投げつけるなどして、小競り合いを起こした。
反対派のある女はタチェル氏に対して、水の入ったビンを投げつけ、軍の作業服を着た若い男は頭を殴りつけた。
逮捕から数時間後に解放されたタチェル氏は、「モスクワには法なんてない。平和的抗議活動の権利なんて(モスクワには)存在しない。これは民主主義ではない」と語った。
4月、モスクワの裁判所は、LGBTの権利を訴えるパレードを「邪悪」だと発言したルシコフ・モスクワ市長に対する、LGBT権利団体が提起した名誉毀損の訴訟を、棄却する決定を下している。裁判所は、棄却の理由として、ルシコフ市長にLGBTの人びとを扇動的もしくは意図的に中傷する意図があったかどうかを原告側(モスクワ・プライド関係者ら)が十分に証明できなかったためと説明。
1月、ルシコフ市長は、ロシア正教の指導者との会合を前に、ゲイ・プライドについて、「邪悪」であると発言。同性婚やシビル・ユニオンにも触れ、「欧州には、同性婚を認め、学校で性教育を行っている国々がある。これは、子どもへの大きな道徳的毒である」と述べ、この模様はモスクワのテレビで放送された。(関連記事)
ルシコフ市長は、今年に限らず、昨年5月にも、安全上の問題を理由に、モスクワ市内でのゲイ・プライド開催を認めないとする決断を下している。(関連記事)
開催不許可決定にも関わらず、LGBT当事者とそのサポーターらがパレードを敢行。警察当局が介入し、およそ200人のパレード参加者が逮捕・拘束された。その後、逮捕されたパレード参加者に対する告訴は取り下げられている。
今年は、サンクトペテルブルクでのゲイ・プライドについても、当局から開催不許可決定が下っている。(翻訳・編集 山下梓) |