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エチオピアの宗教指導者、HIV/AIDS治療薬の“聖なる水”との併用を許可する発言
2007/06/07 20:46
(アディス・アババ)人口の約半数がギリシャ正教徒のエチオピア。150万人はいると見られている同国のHIV陽性者の多くが、抗HIV薬と共に、司祭が清めた“聖なる水”を飲むが、この組み合わせについて、これまで、地元の宗教指導者たちの多くが反対してきた。しかし、先月23日、宗教指導者のひとりが抗HIV薬と“聖なる水”の併用を認めたことで、多くの患者が喜びの声を上げている。先月24日、AP通信が伝えた。
エントト・マリアム総主教は、250人の信者を前に、「私は、HIV陽性者のひとりひとりに対し、薬と聖なる水を一緒に飲むように言いたい。薬と聖なる水は、決して不調和なものではありません」と話した。
昨年11月にも、マリアム総主教は、“聖なる水“と抗HIV薬の併用を認める宣言をしたが、多くのギリシャ正教司祭らが、患者に対し、”聖なる水“か薬のいずれかを選択しなければならないと説き続けた。
先月23日、集会でマリアム総主教の発言を聞いたヨナスさん(41)は、「気分がいいです。以前は、彼(司教)らは、聖なる水と薬の併用を禁じていました。今は、認めてくれています」と話し、抗HIV薬と“聖なる水”の併用が認められたことを喜んだ。
在アディス・アババ米国大使のドナルド・D・ヤマモト氏は、エチオピアでは、薬と同じくらい、霊的治療が重視されていると話す。
「宗教と科学が相互に支え合う、信仰と宗教の問題です」(ヤマモト大使)
アディス・アババのある病院では、抗HIV薬を服用する140人のうち約半数が、“聖なる水”を飲んでいる。ゼェウドゥ医師によると、その量は時に、一日当たり4〜6リットルにもなる。
ゼェウドゥ医師は、「(“聖なる水”を抗HIV薬と一緒に使用することが)効果があるという研究結果はどこにもありませんが、私たちは、信仰に基づいた治療が嘘であると言ってはねつけたくはありません。あらゆる薬が、聖なる水との服用を許されるべきです」と話した。
ゼェウドゥ医師の病院にいる男の子(14)は、“聖なる水”と薬の併用によって宗教的罪を犯さずにすむことになり、嬉しいと話す。「薬を飲み始めたら、元気になってきたよ」―笑顔で話す。
この男の子は、病院に運ばれてきた時には瀕死状態で、体重は20キログラムしかなかった。2、3ヶ月経った今、治療を受け、体重は約30キログラムまで回復し、学校に復帰できるほど。
男の子の世話を担当する人物は、エチオピア社会でのHIV/AIDSに対する差別的イメージのために、男の子の名前は明かせないと話した。
他の女性患者は、男の子と同様、名前は明らかにできないと断った上で、「聖なる水と薬が服用できるのですから、私には希望があります」と語った。(翻訳・編集 山下梓) |